March 11.2020

CRMの基本的な考え方って?価値を求める時代を生き抜く企業戦略と三方よしの関係とは

CRM

こんにちは、EC担当の吉田です。みなさんは、CRMってご存知ですか? EC担当者なら一度は耳にしたことのある「CRM」。

ここ10年でどの企業もCRMを活用するようになりましが、なぜCRMが必要とされているのか、今さら聞けないという方のために、CRMの基本的な考え方についてご説明いたします。

1.工業経済社会からサービス経済社会へ

1970年代~90年代の工業経済社会は、高度経済成長期からバブル期にあたります。これは、いわゆるインフレ時代であり、生産者が主導の「(物がないために)物をつくれば売れた時代」です。

しかしバブル崩壊後の2000年代からは、デフレ時代に突入。物を作ってもどんどん売れる時代は終わりを迎え、今度は「サービス経済社会」へと変遷します。つまり、生産者主導から顧客主導へと変わり、物を買う時代から「価値を求める時代」に変化したのです。

消費者は、商品そのものだけではなく、付随するサービスや付加価値を求めるようになり、これまで通りの製品を作るだけでは売れなくなりました。

例えば、家電メーカーのS社は、海外にテレビの販路を広げる際、海外に多数存在するイスラム教徒用に、従来のテレビにお祈りの時間をタイマーで知らせる機能をつけ販売したところ、大ヒット。

つまり、S社は価格の問題を超えた「顧客が求める」利便性を製品に取り入れたことで、シェア拡大に成功しました。

一方、同業他社のA社も、同じくテレビを海外に向けて販売しました。が、国内ですでに売上実績があるからという理由で機能や販売手法をまったく変えず、国内同様に高品質を謳って高価格で販売しました。結果的には全く売れず、海外進出に失敗してしまいます。

つまり、A社は「(現地の)顧客が求めるもの」を理解できていなかったのです。

現在のサービス経済社会においては、企業は顧客に選ばれるために、「顧客が求める価値は何か」を理解し、さまざまな顧客ニーズに応える必要があるのです。

2.CRMの始まりは近江商人の「三方よし」

「売り手よし、買い手よし、世間よし」

これは、江戸時代から明治時代に活躍した近江(現在の滋賀県)の行商人の心得です。

商売において売り手と買い手がともに満足し、社会(=世間)貢献ができてこそ、良い商売であるという解釈が広く一般的に知られていますが、一説には「三方よし」の本当の意味は少し異なるとのこと。

この説によると、実は売り手は「近江商人」ではなく、近江商人から商品を仕入れて一般消費者に販売する「近江商人にとっての顧客」なのです。

・売り手よし……販売先で売ってくれる人によくしよう
・買い手よし……商品を買ってくれる人によくしよう
・世間よし……商品が流通することで世間をよくしよう

つまり三方よしとは、自社の利益を優先させる商売をするのではなく、全てのお客様のためになることで利益を得よう、という考えなのです。

このお客様第一とする、400年来の日本伝統の経営理念である三方よしは、以下に説明するCRMの考え方と非常によく似ています。

3.CRMで顧客満足度を上げよう

CRMとは“Customer Relationship Management”の略。直訳すると「顧客関係管理」となります。

CRMは、顧客情報管理・分析システム自体を指すこともありますが、広義、もしくは本来の意味では「企業が顧客との信頼関係を構築し維持することで、売上拡大に繋げる経営手法」を指します。

「顧客との信頼関係を構築し維持する」とは、簡単に言えば、「企業やブランドのファンをつくる」ということです。ブランドのファンをつくるには、顧客満足度を上げなければいけません。

では、顧客満足度はどうすれば上がるのでしょうか?

パッと思いつく案としては、顧客とのコミュニケーション回数を増やすことであったり、高品質の商品やサービスを提供することであったりするでしょう。

しかし、CRMで一番大切なことは、徹底的に「顧客視点」で考え、「顧客が求める価値は何なのか」俯瞰で考えることです。

良い商品を作っても売れない時代に、「顧客が求める価値」を売ることで比例して顧客満足度は上がります。そして、顧客満足度が上がることで、比例して売上も上がっていきます。

つまりCRMの目的とは、顧客に寄り添い期待を上回ることで、顧客満足度を上げ、結果的に売上上昇につなげることなのです。

残念ながらCRMは、導入後すぐに効果が出るものではありません。しかし、現代版「三方よし」の精神と実践力を発揮するために、目的を忘れずに長期的な戦略としてCRMを活用することは、デフレ時代を生き抜くために欠かせない企業姿勢であると言えるのではないでしょうか。